途上国の現実~ドラッグと爆弾~

2015年の夏、西アフリカのエボラ出血熱で世間が騒がしいとき、私はケニアのスラムにいました。

ここでの衝撃的な経験はいまの私につながってると思います。

ドラッグと爆弾

旅の間に幾度となくと誘われたドラッグ。その国の物価によって値段が変わりますが、時にとんでもない安値で誘われます。ケニアもそんな数ある国のひとつ。

マリファナ100円、コカイン300円

ここ、ケニアのスラム街でも昼夜問わず密売者がいます。誰でも買えるようになってました。あまりにオープンに売りすぎていて、悪いことだと認識していないようにさえ思えます。

私にとってはもちろん安いけど、スラム街の住民にとっても買えない値段ではありません。コカインの依存性は凄いので、一度やったら本当に治療をしなければやめられなくなります。

コカインのことをよく知らずに手を出しちゃう人が後を立たないスラム街。後悔するころにはもう禁断症状でて人生を棒に振ってしまいます。

スラム街には一日中フラフラしてる麻薬中毒者がたくさんいました。もし頑張って働いても、麻薬を買うお金に消えてしまうなんて悲しすぎます。

国は麻薬中毒者に対する更正施設を作ったけど、需要が多すぎて供給が追い付かない。仕事もせず、いや、出来ず、毎日一日が過ぎるのを待ってる人たち。

一人の麻薬中毒者は、シンナーで歯が溶けてました。「やめたいのにやめられない。死にたいのに死ねない。もう一度やり直したい。」って涙を流してた。

もっと国が動いてたら
麻薬の取締りを強化してたら
貧困対策をしてたら
就労支援がされてたら
教育が行き届いてたら

たくさんの色んなだったら」が重なって、今日もドラッグに手を染めてしまった人がきっといる。

青空爆弾市で感じたこと

青空爆弾市も行きました。青空の下、路上で広げた布の上に無造作に並ぶいろんな種類の爆弾。ケニアの西に面してる国、ソマリア。
ヨーロッパ諸国から独立してもなお、国内の内戦が終結せず未だに無政府状態の国。

スラム街の見学に一緒に付いてきてくれたケニア人のピーターが、「ソマリアが近いからこういう爆弾を売ってるんだ」って言ってた。

「ケンカはだめ。手をあげたらだめ。ケンカしたら謝りなさい。」って言う大人たちは何で戦争をやめないんだろう。命よりも尊いものはないのに。

日本人だからこそ考えるべき

日本国のパスポートは世界最強と言われていて、行きたければどこでもいける。これって本当にすごい事なんです。

国同士の中が悪かったり、国際的信用が低かったり、宗教上の理由で、一生行けない国がある国も多いんです。これは旅に出て初めて知りました。

行けてもビザの申請が必要とか、ビザが取りにくい、ビザ申請代が高いとかもあります。日本は他国と比べて、ビザも必要ないし、申請代もかからないことが多い。

世界を放浪しているときに「君たち日本人だねー」って荷物検査をスルーされることもたくさんありました。

旅に出てみて、日本がどれほど国際的信頼があって、平和な国かということが身に染みました。

もしケニアに生まれていたら、人生の選択肢は限られていました。家族を養うため学校に行かずに働いていたかも。ひょんなことからドラッグを始めてしまっていたかも。

日本人だからこそ世界の事情がネットやテレビで知れる。私は実際に現地を見れた。だからこそ出来る何かがきっとある。

国際協力ってきっと私たちの身近にある

国際協力って大それたことに聞こえるけど、こうやってブログを通して、ちっぽけな内容ながらも「伝える」ことも国際協力だって思ってます。現地に行って何かすることだけが立派なんじゃない。国際協力なんじゃない。出来る人が出来ることを続けていけばいい。

フェアトレードは立派な国際協力だって胸をはっていい。

協力隊の任期はたった2年。出来ることはきっとすごく小さいけれど、そんな小さな力がたくさん集まってこそ、大きなものを動かせるんだと思って頑張ります。

私がしなくちゃいけないことは、日々の小さな幸せを幸せと感じることだと思います。

だいすきな家族がいて、笑い合える友達がいて、辛い時に話を聞いてくれる友達もいる。毎日おなか一杯食べることが出来て、自分のための時間があって、安全に寝れる場所がある。

それって本当にすごいことなんだ。

平和な毎日を過ごしていると、慣れてくるのが人間。時々、平和ボケしてしまうけれど、そんなときは気持ちをニュートラルにして、考えをフラットにしていこう。顔がくちゃくちゃになるくらい笑って、一日一日を丁寧に生きていこう。

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